臭いどころじゃない!妖怪「ホヤウカムイ」には近寄るな

北海道のアイヌに伝わる妖怪の一つである「ホヤウカムイ」。蛇の神、と言われると威厳ある立派なイメージがありますが、実はものすごいクセがあるそうで・・・。これを知るとホヤウカムイには近寄りたくなくなりますよ!

妖怪「ホヤウカムイ」とは

「ホヤウカムイ」は、アイヌの伝承に登場する蛇神のことです。「ホヤウカムイ」という名前は「蛇の神」を意味します。

北海道の日高地方西部の湖沼に棲んでいると言われており、日高の川のどこかには必ずいたということです。

伝承によると、ホヤウカムイは翼を生やした蛇体の姿をしており、全身は薄墨色で目と口の周りは朱色、俵のような太い胴体に細い頭と尾を持つとされます。また、鼻先が刃物のように鋭利で魚のような感じもあり、その威力は大木を引き裂き、切り倒すほどと伝えられています。

ちなみに、ホヤウカムイには「夏には言われぬ者」を意味する「サクソモアイェプ」という異名があります。これは、蛇は夏や火のそばのように暑い場所では力を得ますが、冬や寒さには弱まって冬に冬眠する蛇のような習性からのようです。まさに火に強い蛇の神、といったところでしょうか。

「ホヤウカムイ」の有毒性

一方、ホヤウカムイはすごい悪臭を放つ妖怪としても有名です。

この臭いに触れた草木はあっという間に枯れ果て、人が風下にいるとその臭いで体毛が抜け落ちたり、皮膚が腫れ上がって死んでしまうことすらあるそうです。

近くにいてもその通った跡を歩いても、その悪臭のために皮膚が腫れたり全身の毛が脱けてしまうということですから、ものすごく恐ろしいですね。

鵡川の川口から日高寄りにある集落にホヤウカムイの棲むとされる沼がありますが、人々が付近を通る時には臭いの害を避けるために、丘の上から沼の様子を確認してから通ったといわれます。

日高山脈の主峰・幌尻岳(ぽろしりだけ)の沼や沙流付近の山に棲むというホヤウカムイは、姿は見えないのに強烈な臭いを周囲に放ったため、人間の皮膚が腫れ上がったということです。

洞爺湖と「ホヤイカムイ」

北海道にある洞爺湖の主は、この蛇体であると長らく言い伝えられてきました。

洞爺湖のホヤウカムイは魔神としての面を持つ一方、時には人間の守り神となることもありました。

ある時、天然痘を司る疫病神が、洞爺湖町に疱瘡を流行させたことがありました。その際、ホヤウカムイがその悪臭で疱瘡神を追い払ったことで、湖畔に逃げてきた人々は疫病の難を逃れることができたと言い伝えられています。それ以来、病が流行った時には、人々はホヤウカムイに酒を捧げて、病気平癒を祈ったそうです。

まとめ

悪臭で人を苦しめる一方、助けることもあったというホヤウカムイ。蛇の神としての恐ろしさというよりは悪臭を持つ妖怪としての恐ろしさの方が勝ちですよね!

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