「がんばり入道ホトトギス」と唱えるといいらしいけど、一体何のこと?

「がんばり入道」をご存知でしょうか?便所に現れる入道の妖怪なのですが、「うう~ん!」ときばっていたらいきなり外から覗かれるみたいですよ!いや、こんなシチュエーションで出てくる妖怪、もう最悪ですよね~!撃退するためにはある呪文が必要らしいです・・・

「がんばり入道」とは

がんばり入道は、鳥山石燕の妖怪画集『今昔画図続百鬼』に「加牟波理入道(かんばりにゅうどう)」という名で載っている日本の妖怪です。

大晦日の夜に厠でかがんでいると現れて外からのぞき込んでくる妖怪とされます。『今昔画図続百鬼』では、煙のように口から鳥を吐く入道の姿で描かれ、「がんばり入道ホトトギス」と唱えると現れないと解説されています。

個々の伝承によって姿を現した際に取る行動が異なりますが、「窓から覗き込んで息で形作った鳥をけしかける」「便秘にして困らせる」「覗き込んだ顔に驚いている間にぺろっとお尻を触る」という悪さを仕掛けるようです。

各地の「がんばり入道」伝説

兵庫県姫路地方では、大晦日に便所で「頑張り入道時鳥(がんばりにゅうどうほととぎす)」という呪文を三回唱えると、人間の生首が落ちてくるそうです。いいのか悪いのかわからない言い伝えですが、この生首を部屋に持ち帰って灯りにかざすと黄金になっていたという話もあるのでいい言い伝えなのでしょう。

また、松浦静山の『甲子夜話』にもこれとよく似た話があり、丑三つ時に便所に入って「雁婆梨入道(がんばりにゅうどう)」と言って下を覗くと入道が現れるので、その頭をとって左の袖に入れてから取り出してみると小判に変わっていたという話があります。

この呪文を唱えるといいことがあるように思いますが、実は災いをもたらすこともあるといわれるので注意です。大晦日に「がんばり入道ホトトギス」の言葉を思い出すのは不吉とされる説もあるのです。また岡山県の一部では、がんばり入道の話が見越し入道の話と混同されて伝わっていて、便所で見越し入道が人を脅かすといわれています。

いずれにしても、がんばり入道の伝説は便所と「がんばり入道ホトトギス」がキーワードのようですね。

古典上の伝承としては、十返舎一九による『列国怪談聞書帖』に「がんばり入道」と題された話が載っています。山中の小屋にいて白目をむいて女たちを見張る「眼張(がんばり)入道」とあだ名される男の話なのですが、結局キツネが化けたものだったというオチでした。

まとめ

「がんばり入道ホトトギス」・・・この呪文を唱えると覗きこんでくるがんばり入道を撃退することができそうですが、説によっては撃退しない方がよかったりもするようです。ホトトギスとの関係も気になるところですが、語呂がいいから許しちゃう!

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