妖怪「子泣き爺」は泣く子も黙る?くらい有名!その正体とは

金太郎の前掛けに蓑をつけ、おじいちゃんの顔をしているキモかわいい?妖怪として「ゲゲゲの鬼太郎」で有名な子泣き爺。鬼太郎の中でも名脇役としてたくさんのエピソードに登場しています。そんな子泣き爺、実はもともとの伝承では怖―い妖怪だったのです・・・。

妖怪「子泣き爺」とは

子泣き爺もしくは児啼爺(こなきじじい)は、徳島県山間部などで言い伝えられており、民俗学者の柳田國男著作『妖怪談義』に記述がある妖怪です。

子泣き爺は、年老いたおじいちゃんの姿をしていて、夜道でかわいい赤ん坊のような声をあげて泣きます。そんな子泣き爺を見つけた通行人がかわいそうに思って抱き上げると、体重がだんだん重くなり、手放そうとしても逆にしがみついてきて絶対に離れず、遂には命を落としてしまうのです。

また、石のように重くなって抱き上げた人を押しつぶしてしまう、という言い伝えもあるようです。

実は、伝承地とされる徳島県地方では、子泣き爺の伝説は存在していません。しかし、山中で不気味な赤ん坊の声で泣く妖怪の話や、人間が抱き上げると重たくなって離れない妖怪などのことが書かれている昔話集があることから、これらの話が混在して子泣き爺の話が生まれたようです。

ゲゲゲの鬼太郎に登場

由緒正しい?妖怪としての背景を持っていなかった子泣き爺ですが、昭和に入ると、多くの書籍で妖怪として紹介され、妖怪として認められたと言えます。特に漫画「ゲゲゲの鬼太郎」で主人公の鬼太郎をサポートする鬼太郎軍団の一員として描かれて以降は、正義の妖怪として一躍有名な存在となっています。

公式設定では伝承元と同様、阿波国(徳島県)出身とされています。「金」と書かれた腹掛けと蓑を身に着け、杖を持ち、赤ちゃんのような顔におじいちゃんのようなヒゲをはやしたルックスはみなさんもご存知の通り。年齢はアニメ第3作によると3100歳だということです。人や妖怪に抱きつくと石になり段々体重が増加していき、その重さで身動きをとれなくさせる、重量増加・岩石化の技を使います。実際の伝承ではこの技で人を殺すなどするので恐ろしい妖怪ですが、本作の中では鬼太郎の良きサポート役、善の妖怪として活躍しています。

「砂かけ婆と結婚している」という説やアニメ版での砂かけ婆絡みシーンなども多数ありますが、原作でははっきりと明記されてはいません。砂かけ婆とは単なる腐れ縁の関係といえるのではないでしょうか。

また、子泣き爺は、老人の姿をしているものの、子供並みの軽快かつ高い運動能力を持っていることでも有名です。

走行中のトラックに余裕で飛び乗る程度の跳躍力があり、走るのも速い上に持久力があります。しかし大好物の酒を飲み足らないと走り疲れることもあるのが難点。

さらに、「西洋妖怪キラー」とも称されていて、普段のだらしない姿からは想像もつかないほどなぜか対・西洋妖怪の勝率が高く、持ち前の能力を発揮させます!

子泣き爺の類話

子泣き爺と同じような妖怪として、赤ん坊のような産声をあげる「ごぎゃ泣き(ごぎゃなき)」が四国に伝わっています。色白の赤ん坊で、夜道を歩く人の足にまとわりついてきますが、草履を脱ぐと離れるそうです。別の説では、山中を徘徊する一本足の妖怪で、これが泣くと地震が起こるともいわれます。

青森県の「児泣き婆(こなきばばあ)」の怪談話のほか、茨城県の怪力授与説話など、子泣き爺の類話は多いのですが、その外見の特殊さや抱き上げるとだんだん重くなるという特色が原案になりやすいのかもしれませんね。

まとめ

子泣き爺は、ゲゲゲの鬼太郎の中で、エピソード満載の有名妖怪として大活躍していますよね。しかし本当は、夜道に現れて善意の人間を恐ろしい目に遭わせる怖―い妖怪だったのです。見た目のキモかわいさに騙されないように・・・!

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